得点力不足は貧打が原因!?セイバーメトリクス『OPS』にて検証
こんにちは!
ドラゴンズの弱点として長く叫ばれているのが「得点力不足」。
ずっと言われているけど本当なのかな?
そんなに得点できていないのかな?
疑問に思った私は、過去5年のチーム得点を調べて見ました。
年度 | 得点 | 得点数順位 |
2019 | 563 | 5位 |
2020 | 429 | 6位 |
2021 | 405 | 6位 |
2022 | 414 | 6位 |
2023 | 390 | 6位 |
本当でした。。
しかも年々得点が下がっているではありませんか・・・
そして2024年も8月20日現在、283にて得点数順位最下位となっています。
さらに得点力不足の原因としては「貧打」。
つまり「打てない」と言われています。
得点力不足の原因が貧打であるなら、打撃成績が得点につながるような指標を確認する必要があります。
そこで今回は前回同様、セイバーメトリクスのデータを活用させていただき、その中から、打撃貢献度を示す「OPS」という、最近耳にする機会も増えた指標に関して皆さまにご紹介したいと思います。
打撃貢献度の指標『OPS』とはなにか
聞いたことはあるけど、詳しく知らないんだよな・・・
今まで打撃3冠(打率・本塁打・打点)に注目してきた私にとって、まったくわからない言葉でした。
そこでまずは言葉の意味から調べてみました。
打撃貢献度とは
選手がチームの得点にどれだけ貢献しているかを示す指標です。
この貢献度を評価する上で、「OPS」という数値が活用されています。
OPSとは
OPSとは、On-base Plus Sluggingの略で、
「On-base」:出塁
「Plus」 :加算
「Slugging」:長打
直訳すると「出塁と長打を足したもの」という意味となり、
計算方法は「出塁率+長打率」にて算出します。
- 出塁率:安打、四球、死球で塁に出る割合を示す指標
- 長打率:平均してどれだけ塁打を得たかを示す指標
OPSが高いほど得点への貢献度は高く、打率や打点よりも総合的な力を表すとされ、
特にメジャーリーグでは重要視されているそうです。
OPS評価
算出方法は分かりました。
ですがこの値がどの程度であれば評価に値するのでしょうか。
打率でしたら3割。本塁打なら30本。打点なら100打点。
なんとなく感覚で思い浮かぶこのようなものがOPSにも存在するとのことです。
以下に示すOPSの範囲によってランクが定められています。
OPS範囲 | ランク |
.9000以上 | ランクA( | )素晴らしい
.8334〜.8999 | ランクB( | )非常に良い
.7667〜.8333 | ランクC( | )良い
.7000〜.7666 | ランクD( | )並
.6334〜.6999 | ランクE( | )平均以下
.5667〜.6333 | ランクF( | )悪い
.5666以下 | ランクG( | )非常に悪い
こ、こまかすぎる・・・
複雑な数字を覚えることは大変ですので、今回は「良い」と呼ばれるランクC以上、つまりOPS.7667以上であれば優秀と覚えることにしましょう。
以上を踏まえて、次からは現状の確認を行っていきたいと思います。
OPSランキング(2024年8月20日時点)
ここでは個人成績ランキング(ドラゴンズ上位5名とセ・リーグ上位5名)とチーム成績ランキングをご紹介したいと思います。
ドラゴンズ OPS TOP5
2024年8月20日現在、規定打席到達者が1名(細川)しか存在しません。
本ランキングを作成するに当たり5人以上表示させる必要があるため、今回は250打席以上として作成させていただきました。
- 細川成也 .853 ランクB
- 福永裕基 .736 ランクD
- カリステ .694 ランクE
- 村松開人 .634 ランクE
- 田中幹也 .541 ランクG
優秀と呼ばれるランクC(.7667〜)以上が1人だけ・・??
このくらいが普通なのでしょうか。ドラゴンズだけではわからないため、続いてセ・リーグのランキングを見てみましょう。
セ・リーグ OPS TOP5
本ランキングも上記ドラゴンズ成績と同条件となるように、250打席以上として作成させていただきました。
- オースティン(横) .975 ランクA
- サンタナ (ヤ) .897 ランクB
- 細川成也 (中) .853 ランクB
- 村上宗隆 (ヤ) .820 ランクC
- 岡本和真 (巨) .813 ランクC ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- 宮崎敏郎 (横) .807 ランクC
- 牧秀悟 (横) .788 ランクC
- 丸佳浩 (巨) .780 ランクC
細川選手3位!!・・・というのはとても嬉しいですが、
なんとランクC以上はセ・リーグ全体でも上記8名しか存在しておりません。
それならドラゴンズのTOP5でランクC以上がひとりなのも仕方のないことかもしれません。
セ・リーグ OPSランキング
ではチームとして比較するとどうなるのでしょうか。
- DeNA .678
- ヤクルト .651
- 巨人 .643
- 阪神 .624
- 広島 .610
- 中日 .609
上位3チームはランクE、下位3チームはランクFであることがわかりました。
また、個人成績上位選手の所属するチームが上位にいることもわかりました。
OPSと得点の関連
それでは最後に得点ランキングを見てOPSランキングと比較してみたいと思います。
セ・リーグ 得点ランキング
- ヤクルト 382
- DeNA 376
- 阪神 357
- 巨人 337
- 広島 320
- 中日 283
OPSランキングとぴったり同じではないですが、ほぼ同じ順位となっているのがわかります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、セイバーメトリクスの打撃貢献度「OPS」に関して紹介させていただきました。
得点力不足のひとつの要因として確認することができたのではないでしょうか。
本編では触れませんでしたが、このOPSにはデメリットも存在します。
それは出塁率と長打率の価値が同じため、長打を打っている選手の評価が高くなるという点と、盗塁が評価に反映されない点です。
- 2塁打を打った選手
- 安打を打って盗塁をして2塁へ進んだ選手
どちらも2塁まで到達していますが、OPSだと先に述べた選手が評価されるということです。
これも含めた上で参考にしていただけたらと思います。
得点力を上げるためにOPSの高い選手を獲得する、もしくは育てるのもひとつの選択肢かもしれませんね。
それではまた!